3.構築のポイント
(1)現状把握と業務分析を実施
まずは現状がどうなっているのかをつかむ必要がある。顧客や仕入先では取引額や
取引回数の分析、現行業務ではどの業務に時間が多くかかっているのか、在庫はどんなものが
多いのかなど多くの観点がある。現状把握をすることで自社の強み・弱み、効率的な部分・
非効率な部分の洗出しを行なうことができ、問題点が明らかになる。
(2)現状の問題点の分析と解決策の模索
多様な切り口によって洗い出された現状の問題点について、何をどのようにすればよいのか、
あるいはあるべき姿(理想像)はどういった姿なのか、真の問題点は何かを分析する。
例えば、あるデータの入力業務があった場合、その業務事態の存在が問題なのか、
その業務を何の疑問も持たずに行なっている担当者や責任者に問題があるのかなどである。
そして、真の問題点は、どのような経営課題と結びついているのかを明らかにし、
その解決策を検討・模索していく。
コンピュータは言い古されているが単なる機械であり、解決策全てを担うわけではない。
解決策の大雑把な切り分けとして「人間系」すなわち組織変更や教育などで解決する問題点と、
「情報系」すなわちIT化により解決していく問題があることは忘れないようにしたい。
(3)経営者の参画
経営者は、この段階から常に新システム検討・導入・改善に関与していくことが重要である。
多忙な中小企業の経営者が、情報化だけに時間を割くというわけにも行かないが、
中小企業の場合、経営者が情報化に関わっていくことが成功への近道と思われる。
他人任せにした場合ほぼ100%失敗すると言っても過言ではないであろう。
IT(情報技術)を活用すれば、今以上の「スピード経営」への転換を図ることは可能と思われる。
自社の生き残りのために、是非とも最適なIT化を実現し「スピード経営」の実践を目指したい。 以上
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