1.雑貨卸の会社が所有する自社物流センターで生産性を上げた話です。
コンサルティング契約後、この企業に何度か当社チームが実地調査とヒアリングを行いました。
その結果、その物流センターで次のような課題が見つかりました。
●在庫量が多すぎて作業場所すら取れなくなっていた。
●入庫時期が集中し、その期間、現場はパニックになっていた。
●作業が各階完結でなく、1荷主のピッキングに各階を回っていた。
●社員比率が高く、リーダーのモチベーションが低かった。
2.このような状況を解決するために、物流改善のためのプロジェクトを組みました。
最初に取りかかったのは、「在庫削減」です。半年をかけて在庫を削減するための方策を根本から練り、
実行し、定着化させました。在庫削減には、発注の精度向上が一番効果があります。
また、商品の廃番をいかに決定するかも重要な要素です。
3.その際には、入庫の集中を避けるようにしました。それから物流センターでの作業方法を変更しました。
各階完結型への移行です。同時に、組織の抜本的な変革も行いました。
物流センターでの職位をゼロベースにし、立候補した人からフロア長を選ぶという大胆なものでした。
4.それまでは、その会社の歴史の中で、抜擢された人がフロア長になっていました。
しかしその方たちは、よりよくするために現状の作業を変えようという意識がまったくありませんでした。
彼らと一緒に、センター長とコンサルタントが考える物流改革を進められるとは思えなかったのです。
そして、若手メンバーには物流センターを変えたいという前向きな思いがあることも、我々は知っていました。
不安な面もありましたが、これが物流センターにとって前向きな方向へと舵が向かいます。
5.現職だったリーダーは誰も手を挙げず、会社を去りました。そして、前向きに「変えてやろう」という人が
リーダーになりました。それにより、社員比率も下がる結果となったのです。
それでもこの会社には、物流改善が必要な事項がまだ多く残っています。
物流改善は、どの会社でも尽きることがない永遠のテーマなのです。 以上 |