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第125回
【物流】庫内作業スピードアップの成功事例(2)
2014/4/1

  先月ご紹介した事例は改善の難易度が高い企業ですが、まず私が改善方針として決めたことは、
 作業者のスキルを最大限に生かすことです。なぜなら、どうしても時間がかかっていた
 入庫検品作業やピッキング作業では、イレギュラーの連続だったので、イレギュラー処理を
 瞬時に終わらせる必要があったからです。
  これらのイレギュラー業務をマニュアル化して、レギュラー業務に落とし込むようなことをしていたら、
 この企業の成長には追いつけずに、顧客の信用を失って、成長が止まるどころか売上が下がる事態が
 起こるかもしれません。

  早期に出荷スピードを上げるには、イレギュラー業務に強くなるしかなかったのです。
 イレギュラー業務に強くなるということは、職人(ベテラン)をつくることです。定石では、
 標準化で誰でもできるようにとなりますが、それはこの企業ではやってはいけないことでした。
  どのように職人をつくったかというと、業務を細分化しました。職人は、その経験値が高いから
 職人なのです。入庫では、A食品は○○さんというように、仕入先別に担当者を決めました。
 その担当者だけが、その仕入先の入庫検品作業をするのです。
 その結果、不明商品の問い合わせに電話する回数が減りました。

  また、ピッキングに関しては、カテゴリー別に担当を決めました。肉だったら、肉ばかり
 ピッキングするのです。それによって、誤ピッキング(最悪は誤納品)の回数が減りました。
 この成功例は、目的によっては、臨機応変に、非常識な改善方法を使わないといけないよい事例です。

 以上
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