社長が一番早く出社しなければならないもう一つの理由は、「朝は夜より賢くい」からである。
社長にとって、ものを考えることは最も重要な仕事である。
その思索と思考のために、朝の時間を使うのである。売上を上げるための新商品開発には、
どんなものが考えられるか。来週は、来月は、来年はどんな営業戦略をとるべきか。
人の配置は、いまのままでよいのか。
こういうことは、通常の時間帯にはなかなか考えることができない。
じっくりと自分の会社の課題を見つめ、経営の戦略を練るためには、電話や来客などに
邪魔されずに集中できる朝の時間が一番よい。だからわたしは、
「朝の一分は、日中の一時間に相当する」と考えている。
それだけ、中身を濃くすることができる時間帯なのである。
単に、社員を監視するためだけに社長が早く出社すると、社員たちは当然嫌がる。
遅刻してくる社員はいないか、朝から生あくびをしている社員はいないかと、ジロジロと
社内を見回したりしていると、たいていはうんざりした気持ちになってくる。
しかし、社長が自分の仕事をするために朝早くに出社しているのだなと思えば、
社員たちも「さすがは社長だな」と思う。
「やはり、責任をもっている立場は違うのだな」と思う。それでいいのである
以上
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