No.  テーマ  掲載日
第110回
朝一番(1) 朝10時すぎに出社していた社長の失敗
2013/1/1


 その理由もはっきりしている。それはまず第一に、社員の朝の仕事ぶりを監督するためである。

 社長が十時、十時半に出社するようでは、それまで社員たちが何をやっているかが、
 さっぱりわからない。「いや、うちの社員はみんな真面目だし、彼らがちゃんと出勤時間を
 守っているかどうかは、タイムカードを見ればわかるから」と言う人がいる。

 しかしそれも、大きな間違いである。朝遅く出社する社長に甘さがあるように、社員たちにも
 甘さがあるのだ。どんなに真面目な社員たちでも、誰も見ていないときには仕事の手をゆるめる。
 そのほうが楽だから、社長が遅く出社することに対しては、社員たちは大歓迎である。

 遅く出社すると歓迎されるから、社長はますますこれでいいのだと考える。
 「別にサラリーマンではないから」と、自分の立場が向上したような気分になって、遅く出社するのである。
 これでは朝のスタート時の重要さを、誰も認識しなくなる。そうしてだんだん、
 会社がうまくいかなくなってくる。

 以上


←Back                    Next→