もっともな話ではあるが、長年現場で中小企業を経営していると、どうも違う。
だいたい、イエスマンがいなければ、社長は大変に困るのである。
たとえば売上の減少になかなか歯止めがかからないとき、やや冒険ではあるが起死回生の策を
私が考え出したとしよう。私は社長だから、
「この手をいま打たなければ、売上減は止まらず、ほかに経営状態の悪化を食い止める手段はない。
失敗するとこうなる。しかし失敗した場合には、あのカネを使えば何とかなる」
「最後はどうせ自分が責任をとる事になるのだから…」等々と考え、迷いに迷ったあげくに結論を下す。
そしてみんなに言う。そのとき、誰かが「その考えには反対です」と言ったら、どうするか。
はっきり言う。
社長以上に会社のことを考えている人間は、どこにもいない。特に中小企業はそうである。
その社長が決めたことに対して、誰か一人に「その考えには反対です」と言われても、
会社全体の足並みが乱れるだけのことなのである。
社長が「こうしたい」と言ったら、「はい。わかりました」と従った上で、
「ここをこうすれば、状況がもっとよく社長に伝わると思いますが」と
改善提案してくれればよいのである。
社長の言うことにいちいちノーを言う「ノーマン」が社内にたくさんいると、
こちらはうんざりしてしまい、そのうちに社長自身のエネルギーがなくなってくるものである。 以上
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