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第108回
イエスマンがいなければ社長は困る
2012/11/1


 もっともな話ではあるが、長年現場で中小企業を経営していると、どうも違う。
 だいたい、イエスマンがいなければ、社長は大変に困るのである。
 たとえば売上の減少になかなか歯止めがかからないとき、やや冒険ではあるが起死回生の策を
 私が考え出したとしよう。私は社長だから、
 「この手をいま打たなければ、売上減は止まらず、ほかに経営状態の悪化を食い止める手段はない。
 失敗するとこうなる。しかし失敗した場合には、あのカネを使えば何とかなる」
 「最後はどうせ自分が責任をとる事になるのだから…」等々と考え、迷いに迷ったあげくに結論を下す。
 そしてみんなに言う。そのとき、誰かが「その考えには反対です」と言ったら、どうするか。

 はっきり言う。
 社長以上に会社のことを考えている人間は、どこにもいない。特に中小企業はそうである。
 その社長が決めたことに対して、誰か一人に「その考えには反対です」と言われても、
 会社全体の足並みが乱れるだけのことなのである。
 社長が「こうしたい」と言ったら、「はい。わかりました」と従った上で、
 「ここをこうすれば、状況がもっとよく社長に伝わると思いますが」と
 改善提案してくれればよいのである。
 社長の言うことにいちいちノーを言う「ノーマン」が社内にたくさんいると、
 こちらはうんざりしてしまい、そのうちに社長自身のエネルギーがなくなってくるものである。 以上


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