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第107回
自分らしさの経営
2012/10/1


  社長には、販売に適性がある人と、ものづくりに適性がある人がいる。もちろん、どちらがよい
 というわけではない。

  ホンダの創業者である本田宗一郎氏は、明らかにものづくりに適性のある人だった。
 ものづくりへの情熱で、ぐんぐん人を引っ張っていった。中小企業にも、ミニ本田宗一郎のような人物は
 たくさんいる。
  販売に適性のある経営者としては、たとえば日本マクドナルドの藤田田氏がいる。
 ダイエーの中内切氏やイトーヨーカドーの伊藤雅俊氏など、流通で大をなした経営者も、販売に
 適性のある社長といえるだろう。
  彼らはみんな、自分が好きなことを一生懸命にやって成功している。
 好きなことだから、成功したのである。

  自分はものづくりが好きなのに、販売に一生懸命になったり、本当は販売が好きなのに
 新製品開発に多くの時間をさいたりしても、なかなかうまくはいかないのである。
  したがって社長は、自分がどのような性格なのか、どういう方面に適性があるのかを、まずきちんと
 つかむ必要があるのである。自分というものをちゃんと知っていなければ「誰かがこういうやり方を
 してうまくいって いる」という話を聞いて、ついそちらになびいてしまうということになる。
 自分らしくなくても、そのやり方がいいのではないかと思って、真似をしてしまう。
  ところがそれではうまくいかないから、ほかの人に「このやり方がいい」と言われれば、
 またそちらになびいてしまう。ふらふらして、方向性が定まらない。

  したがって大切なことは、自分らしさに、自信をもつことである。しょっちゅう怒鳴り上げて
 いなくても、自信のある社長には、人はついていくものなのだ。           以上

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