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第103回
中小企業の変え方
2012/6/1


 中小企業の社長は、大企業のように交代するわけにはいかない。後継者に社長職を譲るか、
 会社が潰れるかするまで、ずっと社長である。だから社長交代を機に方針転換、ということもできない。
 こういう現実のなかで、社長が会社を変えようとするためには、社員たちに、
 「ある日から、うちの社長は、人が違ったように変わってしまった」という意識を植えつけるしかない。
 顔も声も同じである。確かに同一人物なのだが、昨日までの社長とは別人のようだ、と感じさせるのである。
 もちろん、本当に別人になることなどできない。

 だから、パフォーマンスを行うのである。
 演技するのである。

 「昨日までのしがらみとは、関係がない自分になった」と演技し、社長の方針に従わない社員は、
 やめてもらうか、人事異動で別の仕事につくのが当たり前である、という雰囲気をつくるのである。
 中小企業が変革する場合には、社長は一人でいくつもの顔をもたなければならないのである。
 つまり社長は役者にならなくてはならないのである。表現はよくないがジキルとハイド的な二重人格ぐらいに
 ならないと中小企業経営はやっていかれないぐらいである。決して、きれいごとではない。

 憎まれることもあるし、非難されることもある。しかし、「そのままでは潰れる」のである。
 潰れないために、時として社長は、以前の自分とは全く違う自分であることを前面に打ち出して、
 思い切った手を打たなければならないのである。
 以上

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