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第102回
経営の困りごと「ヒト」
2012/5/1


経営していると、重要な経営資源「ヒト、モノ、カネ」そのものが困りごとになるケースが多い。
中でも一番やっかいな問題と考えられるヒトの件に関して、具体的に実体験によって4つに区分する。
(1)採用しても人が定着しない(すぐやめる)
(2)自主的に働かない(さぼろうとする)
(3)管理職が育たない(片腕になる人がいない)
(4)営業マンがいない
ということである。では、この4つの考え方を、逆発想してみよう。

第1の、採用しても人が定着しない(すぐやめる)
 この件に関しては、特に小規模企業の場合、入社の時点から問題がある。入社の面接時に、
当社に入社したらこんなよいことがあるといったような、バラ色のことばかり説明するような企業ほど、
退職率が大きいという現実である。このため、これと逆の説明をすべきである。
 つまり入社時に、当社に入社すると、過去の退職者の理由にはこんなことがあった旨、
箇条書きにして丁寧に説明すべきである。もちろんその前に、待遇については了解させたうえで
話をすべきである。給料等のことは、数字だからはっきり理解できるが、社内の業務内容や雰囲気等は、
正確に説明しないと理解しにくいはずである。だからこの点、従来のやり方とは逆の方法を
入社時の説明の時、実行することを提案する。


たとえば、1名の営業マンを入社させて3ヵ月後に辞められた場合、約100万円をドブに捨てたうえに、
顧客から「また辞めたのか?」といわれて信用を落とす事例が多い。これ を知れば、
入社時によいことばかりを説明して入社してもらっても、決して企業にはプラスにはならないのだ。
このことを頭に入れて、面接の時は退職時を想定して、会社の概要説明をしたほうがベターである。 
以上

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