会社と役員の関係は民法に規定する委任の契約に該当します。
委任契約の場合は、無報酬が原則とされており、報酬を支払う場合は特約が必要に
なってきます。会社法では、取締役及び監査役の報酬について、定款で定めるか又は
株主総会の決議によるとされており、ほとんどの場合は株主総会で決定しているでしょう。
この場合、取締役及び監査役の報酬はそれぞれ別に決議しなければなりません。
このような規制が設けられているのは、取締役の報酬についてのお手盛りを
防止すること、監査役の報酬については監査役の独立性を担保すること、がその趣旨と
いえるでしょう。また、法人税法でも、役員報酬の額に対する規制が設けられていますので
留意しておくべきです。
【解 説】 会社と役員との関係会社と役員との関係については、会社法第330条に規定が
あります。この条文では「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する
規定に従う」と定められています。この場合の委任とは、当事者の一方が法律行為を
することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を
生ずるものです(民法第643条)。また、委任契約による場合は、無報酬が原則です
(民法第648条1項)。したがって、もし役員に対して報酬を支払うのであれば、
特約によることとされています。その場合も、委任事務を履行した後でなければ、
報酬の請求をすることはできません。役員報酬に関する法律上の規制会社法では、
第361条に取締役の報酬に関する規定が設けられています。
取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の
利益(報酬等)は、定款に定めがなければ株主総会の決議によることとされています。
また、同様に監査役の報酬に関しては、会社法第387条1項において、「監査役の
報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める」
とされているところです。 以上
|