No.  テーマ  掲載日
第229回
営業の差別化と価格政策

2022/12/1


   差別化の意味差別化とは、企業が「自社の商品と競合他社の商品との違い」を購入者である
 お客さまに認識してもらうことを言う。ただし、お客さまにとって価値がないところで差別化
 しても意味がないのは、当然である。言い換えれば、「お客様に、より良い価値を提供する」
 である。それでは、価値とは一体何か。

  @「価値」とは、お客さまにとっての価値であり、売り手にとっての価値ではないことを認識
  すること。売り手が、如何に大変な思いをして作ったこだわりの商品でも、それがお客さまに
  とって何の意味もないなら、「価値がある」とは言えない。あくまでも、「価値があるか
  どうかを決めるのは、お客さまである」と認識する。

 Aお客さまが、何を基準に価値を決めているかといえば、ズバリ「自分の欲求・欲望」である。
  人間の欲求・欲望は、次の3種類がある。
  ・生存欲求:生理的なニーズ、基準は身体的快楽(生き延びたい、ラクをしたい)
  ・社会欲求:他人との関係ニーズ、他人の評価(みんなに認められたい、名誉が欲しい)
  ・自己欲求:自分自身で完結するニーズ、基準は自己満足(自分のしたいことをしたい)
  これら3種類の欲求・欲望を満たしてくれる充足感を求めているのだ。だから、差別化とは、
  「この3種類の欲求・欲望をよりよく、または違った形で満たすこと」だと言うこともできる。
  人によって欲求・欲望が違うので、ターゲッティングをする必要があるのだ。コンビニや
  KIOSKの店頭には、たくさんの種類のガムが並べてある。まさに、欲求・欲望に合わせた
  ターゲッティングになっている。例えば、
  ・ブラックブラック:眠気すっきりガム。ドライブのときに事故にあわないように噛む。
   これは、生き延びたい、という欲求。
  ・クロレッツ:息さわやか、他人に迷惑をかけない、という社会的な欲求。
  ・フルーツガム:これは、味を楽しみたい、という自己欲求。
  という差別化が存在する。

←Back                    Next→