原価差異分析とは、材料費・労務費・間接費などについて設定された標準原価と実際原価との
差異のことで価格差異、数量差異、賃率差異、時間差異などを算出し、それらの情報を管理者が
次期のアクションに利用できるようにすることです。
原価差異分析の真の目的は、二つに大別できます。
第一は、標準原価を実際原価と比較して、より客観的な標準原価を算出しておき、将来の利益計画に
利用しようとすることです。第二は、技術革新を促す、ということです。たとえば、標準原価と実際原価とを
比較して、そこから客観的な標準原価を算出しても、その標準原価では、将来の利益計画に対して、
企業の希望利益が実現できないものとしたら、さらに標準原価を引下げるために、技術革新を
行わなければならないからです。
さもなければ、現状の業種では維持運営していくことは無理ですから、他の業種に鞍がえしなければ
ならないことになります。
ところで、原価差異分析が行われる時点は、たいていの場合、作業が終了した後か、
あるいは一定期間が過ぎた後になりますから、経理部門としては、現場の統制機能に直接的に
関与することは不可能です。
もし、仕事中、あるいは期間中に部分的な原価差異分析ができるとしても、実際の作業そのものを
統制できるのは現場の管理であり、決して原価管理ではないのです。 以上
|