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第179回
原価差異分析
2018/10/1


 原価差異分析とは、材料費・労務費・間接費などについて設定された標準原価と実際原価との
 差異のことで価格差異、数量差異、賃率差異、時間差異などを算出し、それらの情報を管理者が
 次期のアクションに利用できるようにすることです。

 原価差異分析の真の目的は、二つに大別できます。
 第一は、標準原価を実際原価と比較して、より客観的な標準原価を算出しておき、将来の利益計画に
 利用しようとすることです。第二は、技術革新を促す、ということです。たとえば、標準原価と実際原価とを
 比較して、そこから客観的な標準原価を算出しても、その標準原価では、将来の利益計画に対して、
 企業の希望利益が実現できないものとしたら、さらに標準原価を引下げるために、技術革新を
 行わなければならないからです。
 さもなければ、現状の業種では維持運営していくことは無理ですから、他の業種に鞍がえしなければ
 ならないことになります。

 ところで、原価差異分析が行われる時点は、たいていの場合、作業が終了した後か、
 あるいは一定期間が過ぎた後になりますから、経理部門としては、現場の統制機能に直接的に
 関与することは不可能です。
 もし、仕事中、あるいは期間中に部分的な原価差異分析ができるとしても、実際の作業そのものを
 統制できるのは現場の管理であり、決して原価管理ではないのです。           以上

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