取引事実の経緯をしっかり記録に残しておく現実の契約トラブルは、法律問題以前の
単純な事実関係が争われる事例が比較的多い。例えば、代金額や商品の数量、品質、保証に
関することなどである。いずれの場合も、書面で当初の約束だけでなく、その後のやりとりを
しっかり記録することが、対策の基本となる。契約トラブルを防止するためにも、
また自社の安全を確保するためにも、こまめに書面で記録を残すように心がけることが、
万事に通ずる手法となることを覚えておきたい。もっとも、書面は自己に不利な証拠と
されることもある。しかし、本来のあるべき姿、公正なルールで取引を秩序正しく行なうことが
倫理的であり、また、それに従うことが信用確保の最低線だ。
もし自己に不利にもなるかもしれないからという理由で記録に残さないのが得だと思って
いるのならば、その考えは邪道であり、結局は自己の首を絞めることになりかねないことを
悟るべきだろう。
以上
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