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第163回
小売業の創業事例(1)
2017/6/1


 1.動物病院業界の特徴

   一般的な動物病院の開業だと、病院施設の保証金に150万円、内装設備に1,000万円、
 医療機器に800万円、薬品医療消耗品等在庫分100万円、備品100万円、当面の運転資金を
 合わせると、2,500万円程度の開業資金が必要となる。そのうち、半分の1、200万円程度が
 自己資金で、残りを借入金として資金調達するケースが多い。また、実家を改装して
 開業というパターンもある。人材についても、独立のための勉強として勤務する獣医が多く、
 人の流動化が激しい。そのため、企業化出来ているケースもまだ少なく、
 いわゆる家業からなかなか踏み出せないのが現状である。

 2.開業企業化の動機

  今回紹介する会社は、新たに企業化して新規開業を果たした株式会社○△◇ペットである。
 そもそものきっかけは、元はそれぞれ動物病院に勤めていた獣医師3人が、
 自分の病院を持ちたいと独立開業を目指したのがはじまりである。
 前述のとおり、資格商売の典型である丁稚奉公的な要素がまだ残っているこの業界を、
 何とか一般に魅力のある業界にしたい。それが結果的には獣医師という職業に
 より魅力を与えるのではないか、という同じ考えを持った3人が、
 それぞれ独立開業というよりは、企業化して開業を目指そうとなった訳である。
                                                   以上

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